太陽の光で自然に熟成させるワイン作りで有名な村サン・ジャネ

Eric Barnabé Photographie

サン・ジャネは、小さな村ですが、知る人ぞ知る太陽の光で自然に熟成させられたワインで知られています。

⭐︎地理・人口
サン・ジャネ村は、ニースから車で10分、北西に約20キロ、ヴァンスから7キロに位置する小さな村です。
村は、標高800mの岩山バウ・ド・サン・ジャンネの麓、標高400mにありハイキング愛好者が多くやってきます。バウ岩山の山頂にある展望が見える場所からは、村やメルカントゥールのアルプスの峰々からニースの丘、アンティーブ、カンヌ湾にあるレランス諸島、エステレルまで壮大なパノラマを眺めることができます。

人口は4000人ぐらいの小さな村です。
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⭐︎歴史

サン・ジャネの一番古い記録は、公式文書には11世紀にバウの麓や平野に村があったことが記されています。現在でも、中世の城壁や門などが残っていて、外からの攻撃や疫病から住民を守っていました。


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最も古い住居のほとんどは、「メゾン・ブロック」と呼ばれるプロヴァンス様式のもので、高い位置に建てられた住居で、3階建てから4階建てまであります。

ワイン作り
サン・ジャネの村の周りにオリーブとブドウの木を植え始めたのは、2000年前のローマ人です。 土地が南向きで日当たりがよく、冷たい北風を遮る崖があり、ブドウ栽培がしやすい環境だったので、ワイン造りがその後も続けられてきました。

1950年ごろまでは村のみんながワイン造りをしていましたが、現在この村でワイナリー経営をしているのは2軒だけ。そのうちの1軒、 ジョルジュさんのワイナリーは村から約2キロの場所にあリます。ジョルジュさんは、兄弟と一緒にお父さんから受け継いで家族でワイナリーを営んでいます。ジョルジュさんは12人の大家族の出身。弟さんが絵描きさんなので、ワインのラベルのデザインをしたりして家族で支え合っています。

フランスのテレビにも出ていて、日本を含めて世界中の愛好家に飲まれているそうです。

ワイナリーでは、テラスに丸い形のワインボトルが並べられています。なぜかというと、
ジョルジュさんのお父さんが昔、友達と一緒に屋根の修理をしていたときに、ワインをうっかり屋根の上に忘れてしまったそうです。数ヶ月して見つけた時に、飲んでみたら美味しかったので日に当てることにしたのだとか。

とはいえ、これは昔からある熟成法の一つ。日照量にもよりますが、6~8ヶ月の間、日に当てることで酸化防止剤なしで、自然に熟成させることができるのです。
フランス語で「vin tuile (瓦色、または瓦の上で熟成したワイン)」と呼ばれています。ロゼワインの場合は約9カ月間も太陽を浴びさせるため、少し茶色に変色します。

⭐︎芸術家たち
1950年代には、静けさと風景に魅せられた芸術家たちがこの地に定住していました。最も有名なのはフランスの詩人、作家、劇作家、才能ある画家でもあったジョルジュ・リブモン=デセーニュ。1944年から1974年に亡くなるまでここに住んでいました。

彼の友人の、「ダダ宣言」で知られる詩人トリスタン・ツァラや作曲家のジョゼフ・コスマなども滞在していました。リブモン=デセーニュと親交の深かったジャック・プレヴェールは、村の最後のブドウ祭りのために、サン=ジャンヌのワイン生産者に捧げる詩「vignette pour les vignerons」を書いています。

⭐︎アクセス

アクセスはSaint-Laurent du VarやCagnes sur merからバスが出ています。

マイコートダジュールツアーズでは、2024年4月からニースっ子の小さな村巡りでご案内しています。

⭐︎リンク
サン・ジャネ市のサイト