モナコ公国とマントンの間にある美しい紺碧の海が眺められる村、ロクブリュヌ・カップ・マルタン。有名な建築家ル・コルビュジエが愛した村として知られています。イタリア領、モナコ領を経て、最後はフランス領となったユニークな歴史を持つ穴場スポットをご紹介します!
【目次】
1.歴史
ロクブリュヌ・カップ・マルタンには、ヨーロッパでも最も古い人類の居住の痕跡であるヴァロネット洞窟(Vallonet)が発見されています。なんと約100万年前、ホモ・エレクトスがこの洞窟に身を寄せていたと考えられているのです。その後、ローマ時代にもこの地は人々に愛されました。中世になると、イタリアのヴェンティミリア伯コンラッド1世がロクブリュヌの城を建設。さらに、サラセン人の攻撃から村を守るための要塞も築かれました。1157年には、「ロカブルナ(Rocabruna)」という名前が初めて文献に登場します。
長い年月を経て、ロクブリュヌ・カップ・マルタンはモナコの支配下に置かれることになります。しかし、1860年、ついにフランス領となり、現在に至るのです。
19世紀、カップ・マルタンには、ベル・エポックを彩る偉大な人物たちが次々と訪れるようになります。
1920年代になると、多くの芸術家や建築家がロクブリュヌに魅了され、この地で暮らすようになりました。中でも特筆すべきは、20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエです。彼はロクブリュヌの海辺に、「休暇小屋」、通称キャバノンを建設。シンプルでありながら機能美に溢れたそのデザインは、現代建築に大きな影響を与えました。2016年にはユネスコの世界遺産に登録されています。
2.観光
中世の面影を色濃く残す旧市街は、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのような雰囲気に包まれています。
その中でも特に目を引くのが、10世紀に建てられたという古城。歴史の重みを感じさせる石畳の路地を歩けば、中世の人々の生活に思いを馳せずにはいられません。
観光地化されていない村だからこそ、ここを訪れる人は少なく、ゆったりと街歩きを楽しむことができるのです。土産物屋は見当たりませんが、地元の人々で賑わうカフェやエピスリー(食料品店)、レストランが点在。そこでは、村人たちの日常の一コマを垣間見ることができるでしょう。
歴史と現代が交錯する、どこか懐かしさを感じさせる風景。中世ヨーロッパへのタイムトラベルを味わいたいなら、ロクブリュヌ・カップ・マルタンの旧市街は外せない場所です。特にお城好きの方々に、ぜひとも訪れていただきたい隠れ家的スポットです。
お城よりもさらに山の上には、ル・コルビュジエのお墓があります。
村には樹齢1000年を超える古木も。
ル・コルビュジエの海辺の小さな別荘「休暇小屋 Le Cabanon de Le Corbusier」は事前予約で見学することができます。入場料19 €
10世紀に建てられたお城の城塞は、目の前に広がる地中海を見下ろす絶景スポットです。
入場料 5 €(2025年現在)
☆マイコートダジュールでは、ロクブリュヌ・カップ・マルタンへプライベート貸切チャーターでご案内しています。
アクセスしにくい村でも、ワンボックスカーで効率よくご案内します。
3.アクセス
ロクブリュヌ・カップマルタン(Roquebrune Cap Martin)駅から徒歩で、坂や階段を上がって30分。