コートダジュールにご滞在中の方にぜひ訪れてほしいのが、フランスとの国境に近いイタリアの小さな村、ドルチェアクア(Dolceacqua)です。ニースからは車で約1時間とアクセスしやすく、日帰り旅行にぴったり。私たちのニース発のオリジナルツアー「イタリアめぐり」や「3カ国めぐりツアー」でも立ち寄る、魅力的なスポットです。
ドルチェアクアってどんなところ?
ニースから内陸へ少し入った場所にある、人口約2,100人の小さな村です。標高51メートルに位置し、ネルヴィア川が流れる美しい渓谷に抱かれています。
【歴史の豆知識】 「ドルチェアクア」という名前は「甘い水」という意味ですが、古代ローマ時代の農場主の名前が起源とも言われています。村の歴史は古く、鉄器時代からの人々の暮らしの痕跡が見つかっています。12世紀にはヴァンティミリア伯が渓谷を見下ろす岩山に城を築き、その後、有名なドーリア家が城を購入し、長年にわたって村を支配しました。
村の見どころ
ドルチェアクアの最大の魅力は、絵画のような景観と中世の面影を残す旧市街です。
1. モネが描いた跳ね橋とドーリア城
村のシンボルは、ネルヴィア川に架かる一本アーチの石橋です。この美しい橋は、印象派の巨匠クロード・モネが「ドルチェアクアの橋」という作品で描いたことでも有名です。モネの作品はパリのマルモッタン美術館に所蔵されています。
橋を渡ると、丘の上にそびえるドーリア城の廃墟が見えてきます。12世紀に築かれたこの城は、度重なる改築と戦争、そして地震によって一部が損壊しましたが、現在もその威厳ある姿で村を見守っています。夏のイベントに使われたり、改修が進められたりしています。
2. 迷路のような旧市街「テラ地区」
川の片側にある一番古い地区が「テラ(Terra)」です。ここはまるでタイムスリップしたかのような独特の雰囲気が魅力。狭く薄暗い路地が入り組み、アーチ型の通路や、7階建てにもなる石造りの家々が密集しています。夏の暑い日でもひんやりとしていて、快適に散策できます。ガイドブックにあまり載っていない穴場なので、観光客が少なめでゆっくり楽しめますよ。
3. 教会と礼拝堂
村には歴史的な教会や礼拝堂も点在しています。
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サン・アントワーヌ・ル・グラン教会(St.-Antoine le Grand): テラ地区の入り口にある15世紀に建てられた教会です。
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サン・ジョルジュ教会(St.-Georges): 村の入り口、墓地の隣にある教会で、11世紀のロマネスク様式で建てられ、後にゴシック様式やバロック様式に改築されました。
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サン・ベルナール礼拝堂(St.-Bernard): 15世紀の画家エマヌエーレ・マッカーリ・デ・ピニャのフレスコ画が残っています
お土産におすすめ!ドルチェアクアの特産品
ドルチェアクア周辺は農業が盛んで、質の高い特産品が豊富です。旅の思い出に、ぜひお土産を探してみてください。
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オリーブオイル: この地域の豊かな自然が育んだ、風味豊かなオリーブオイルは特におすすめです。
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ワイン「ロッセーゼ」: ドルチェアクアのワインの中でも特に有名なのが「ロッセーゼ(Rossese)」です。まろやかで香り高く、甘口の味わいが特徴。特別なブドウ品種から少量生産されるため、希少価値があります。
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花: ミモザやカーネーションなどの花卉栽培も盛んで、時期によっては地元の市場で美しい花々を見つけることができます。
ドルチェアクアへのアクセス
ニースからは、まず電車でイタリアの国境の町、ヴェンティミリア(Ventimiglia)へ。そこからバスに乗り換えれば、約20分でドルチェアクアに到着します。