コートダジュール観光で絶対外せないモナコ公国は、F1グランプリのコースになる街並み、豪華なモンテカルロのカジノ、そしてグレース・ケリー公妃ゆかりの地として有名です。治安も良く、世界中のセレブが集う高級リゾート地として知られています。
モナコの概要
ニースから東へわずか19km。モナコはバチカン市国に次ぐ世界で2番目に小さな独立国です。わずか約2.02平方キロメートルの国土に約3万6千人が暮らし、人口密度は世界有数。高層ビルが立ち並び、国際色豊かなのが特徴です。モナコ居住者のうちモナコ国籍を持つ人は約20%のみです。
フランスからモナコへの入国にパスポートは不要。国境でのスタンプはありませんが、市役所や観光案内所で記念スタンプをもらえますよ。
富の歴史と経済
モナコが裕福になったのは、19世紀末にカジノが作られたのがきっかけです。かつて国家収入の約95%をカジノに頼っていましたが、現在は約5%に。モナコ居住者(一部フランス人を除く)は所得税がかからないため、多くの富裕層が暮らしています。
グリマルディ家の歴史と発展
1297年にグリマルディ家が統治を始めて以来、700年以上にわたりモナコの歴史を築いてきました。
1860年にはモンテカルロの開発が始まり、1868年には鉄道が開通し、国は急速に発展。海洋学に力を入れたアルベール1世公は、1910年に世界的に有名な海洋博物館を設立しました。
そして、1956年にレーニエ3世公とハリウッド女優グレース・ケリーの「世紀の結婚」が実現。このロマンスがモナコの知名度を世界に広げ、さらなる発展をもたらしました。現在は、アルベール2世大公が持続可能な発展に取り組んでいます。
グレース・ケリー公妃は1982年に交通事故で亡くなりましたが、運転中の脳内出血が原因とされています。
彼女の名前を冠したエルメスの「ケリーバッグ」は、もともと別の名前で販売されていました。妊娠初期にパパラッチからお腹を隠すために、このバッグを使用したことで一躍有名になり、「ケリーバッグ」と呼ばれるようになったというエピソードがあります。
モナコのみどころ
世界有数の安全な国、モナコ公国。その治安の良さは、人口約60人に対して警察官1人という手厚い警備体制と、街中の防犯カメラによるものです。スリの心配もほとんどなく、高価なものを身につけて夜の散策も安心して楽しめます。
モナコはいくつかの魅力的な地区に分かれています。旧市街のモナコ・ヴィル(通称ロシェ)、カジノと高級ホテルのモンテカルロ、港周辺のコンダミーヌ、新しい街並みのフォンヴィエイユ、そしてビーチのあるラルヴォットです。
モナコ・ヴィル (旧市街地:ロシェ Le Rocher)
は「ロシェ(岩山)」とも呼ばれ、歴史と伝統が息づく旧市街地です。岩山の上にあるため、バス(1番または2番)でのアクセスが便利です。
モナコ大聖堂: グレース・ケリー公妃とレーニエ3世公の結婚式が行われ、お二人が眠る場所です。美しいロマネスク・ビザンチン様式の聖堂で、歴代大公の墓石もあります。
大公宮殿: 1215年に要塞として建てられた宮殿で、一部が公開されています。衛兵交代式は毎日午前11時55分に行われ、夏場は特に多くの観光客で賑わいます。宮殿の横からは、モナコの素晴らしい景色が一望でき、絶好のフォトスポットです。
海洋博物館・水族館: アルベール1世公によって1910年に設立された、科学と芸術のための博物館。モナコ・ヴィルの断崖に位置し、眺めも抜群です。近代的な水族館もあり、特にご家族連れにおすすめ。見学には最低1時間ほど見ておきましょう。
パスポート記念スタンプ: 平日なら旧市街にある市役所、または観光案内所で、パスポートにモナコの記念スタンプを押してもらえます(公式な入国スタンプではありません)
モンテカルロ
「モナコ」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのが、このカジノ広場のあるモンテカルロ地区でしょう。
グランカジノとオペラ座: パリのオペラ座を手がけたシャルル・ガルニエによって1878年に設計された、豪華絢爛なカジノ。ゲームをしない方も、その美しい内装を一見する価値があります。午前中は写真撮影のための見学が可能。カジノのオープンは14時からで、午後や夜には多くの高級車が並び、車好きにはたまらない光景が広がります。
レニエ大公クラシックカーコレクション: 車好きなら必見!レーニエ3世公のプライベートコレクションだった100台以上の名車と、6台の馬車が展示されています。2022年7月からF1グランプリのスタート地点近くに移転しました。
その他のエリア
グレース公妃のバラ園: フォンヴィエイユ地区のヘリポート横にある、グレース・ケリー公妃を偲んで造られた美しいバラ園。約4000本のバラが咲き誇る静かな空間です。バラが最も美しい時期の訪問がおすすめ。
ヘラクレス港: F1グランプリのスタート地点にもなる港には、世界中から集まる豪華なヨットが停泊し、圧巻の眺めです。
日本庭園: ラルヴォット地区には、モナコのビル群の中に意外なほど本格的な日本庭園があります。日本の美を感じられる癒しの空間です。
熱帯植物園と鍾乳洞: (2022年は改装のため休園中。訪問前に要確認) モナコを一望できる展望台があり、世界中の珍しい植物が集められています。鍾乳洞見学も可能で、自然が作り出した神秘的な空間を楽しめます。
コンダミーヌ地区のマルシェ: 旧市街地の下にあるプラスダルムでは、地元の人々が買い物をするマルシェが開かれています。質の良い食材や地元の味が楽しめる小さなレストランもあり、お寿司の専門店もあります。
モナコを代表するイベント:F1グランプリ
モナコで最も有名なイベントといえば、何といってもF1モナコグランプリです。毎年5月の最終日曜日に開催され、カンヌ国際映画祭の時期と重なることもあります。
モナコグランプリ最大の魅力は、街全体がそのままサーキットになること。狭い道幅や多くのカーブ、アップダウンの激しいコースは、F1の中でも最も難易度が高いと言われています。複雑な市街地コースのため、他のサーキットのような超高速での走行はできませんが、その分、ドライバーの腕が試されるスリリングなレース展開が特徴です。
モナコの街全体が熱気に包まれるこの時期は、世界中からF1ファンが集まり、非日常的な雰囲気を味わえます。詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
ショッピング
モナコでのショッピングは、旅の思い出やお土産探しにぴったりです。
定番のお土産: モナコの旧市街(ロシェ)では、F1グランプリ関連の帽子やTシャツ、モナコの名前が入った定番アイテムがすぐに見つかります。
おすすめの逸品:
ショコラトリー・ド・モナコ: モナコ公室御用達の高級チョコレートは、上品なお土産として特におすすめです。
ビターオレンジのリキュール: モナコ市内で採れるビターオレンジから作られたリキュールは、珍しい地元の味を楽しめます。
モナコ製の食器: 普段使いにできるカジュアルなものから、輝くような光沢のある美しいものまで、様々なデザインの食器が見つかります。旅の記念にいかがでしょうか。
アクセス
ニース国際空港から
リムジンバス:空港から110番のバスに乗り45分程度
ヘリコプター:モナコまで7分
ニースから
電車:ニースからイタリアのヴァンチミリア行きの電車に乗りMONACO MONTE-CARLO駅で下車、25分程度。
リンク
マイコートダジュールでは、ニース空港からモナコまでの空港送迎やエズ・モナコを半日でまわるツアー「絶景エズ村とモナコ公国」やモナコ、フランス、イタリアの3カ国訪れるツアー「ニース発1日3か国めぐり」ツアーをご提供しています。