マチスのロザリオ礼拝堂があるヴァンス

マチスのロザリオ礼拝堂がある町として有名なヴァンス。長い歴史がある中世の町の魅力をご紹介します。

*こちらのページは、観光ガイドの代わりとすることが目的ではなく現地ガイドの経験から便利で役に立つ情報を提供できたらという思いから作りました。

*お勧め情報はステファニーの個人的な意見です。

☆地理・人口

ニースから22㎞程度、サン・ポールから更に山の方に入っていくと岩が剥き出しになっているサン・ジャネ山が見え、そのふもとにヴァンスの町があります。人口は、現在は2万人弱ですが、ニースから車で40分かからないため、ニースで働く人々のベットタウンとして人口が増え、発展してきています。

☆歴史

ヴァンスの歴史はとても古く、石器時代の住居跡やリグリア人のものと言われている城砦カステララ(Castellaras)の跡などが周辺には数多く発見されています。ヴァンスの都市が作られたのはおよそ紀元前3000年で、 アルプスに遊牧しながら住んでいたネルジイ族(Nérusiens)が現在のヴァンスのあたりに住み始めます。

ネルジイ族は、当時のプロバンス全体に住みついていたケルト人とリグリア人の血が混じったケルト-リグジア人ということができます。ネルジイ族は、危険が迫ると簡単な要塞の裏に避難します。当時は、戦いの神Venciusなど数々の神を信仰していたと言われています。その神の名前がヴァンスVenceという町の名前の由来になったという説があります。他には、ケルト語以前の言葉でヴァン(Vin)という「高さ」を意味する言葉が起源だという説もあります。

ローマの支配下に入ってから、ヴァンスの町の周りに城壁が作られ、水道が引かれ、ディーニュへ抜けるローマ街道の大切な中継地点である要所「ヴァンティウム」(Vintium)とヴァンスはなります。

中世にはヴァンスの町は、14世紀以上に渡って「司教の町」として発展していきます。城壁の内側は小道とたくさんの家でひしめき、1333年まで城壁の近くに家を建てることは禁止されます。15世紀まで町の中にはスペースは全くありませんでした。16世紀になると、ヴァンスにとって大切な人物が司教になります。プロテスタント側と対話をするために、トリエント公会議を行ったことで知られているローマ教皇パウルス三世も実はヴァンスで司教を勤めています。当時のヴァンスの住民たちは、オリーブや花農家、羊飼いたちでした。

1880年から生活様式がかわります。全ての農村に水道が引かれます。鉄道が走り、移動がしやすくなり、公立学校が無料で全ての人々に開かれます。一軒家がヴァンスの周辺にどんどんと建てられ、農民の数が減っていきます。

20世紀になるとヴァンスは世界に知られる観光地となります。太陽に恵まれ温暖な気候や景色だけでなく、アートや文化でも有名となります。マチスやシャガール、デュビュッフェなど数多くの有名な画家が移り住みます。ニースのシャガール美術館にある17枚の連作「聖書のメッセージ」は、ヴァンス滞在中にシャガールが約13年間をかけて作られたものといわれています。マチィスは、第二次世界大戦の激しくなった頃に、爆撃を避けてニースから離れ、静かなヴァンスにやってきます。別荘「ル・レーブ (Le Réve)」を借りて、5年間過ごし、ピカソもここを訪れています。この別荘は、2000年からヴァンス市のものとなり、芸術家、画家などの集まる場所となっています。マチスは、
「今朝、家の前を散歩していた時に、若い女の子や女の人、男の人が朝市に行くために自転車に乗っているのを見て、タヒチにいるのかと思った。」と言っていたとか。当時の様子が目に浮かんできますね。

☆観光案内

IMG_1974

ヴァンスは、中世の町として指定され、珍しく城壁がきちんと残っていて、楕円形をしています。

町の中は、路地がかたつむりの殻のように渦巻き状になって、中央の広場までたどり着きます。この広場には、ガイドブックにもでている大聖堂(Cathédrale de la Nativité de la Vierge)があります。カロリン王朝時代の寺院跡に建築されたもので、修復と拡大が幾度も加えられています。この大聖堂の中には、重要な歴史的遺産(11世紀)が残されていて、入り口から入ると一番奥の左側にある洗礼所には、シャガールのモザイク(Moîse sauvé des eaux)が飾ってあります。教会の中は暗いのと分かりにくい場所にあるので、少し見つけにくいです。IMG_1975

5つの城塞門の一つ、ペイラ門(Porte de Peyra)の内側には、歴史的建造物に指定されているペイラの噴水(1822年)があります。その近くに17世紀のヴィルヌーヴ城 (Château de Villeneuve)には、

エミール・ユーグ財団の近代アートの美術館が入っています。

Rosaire

© 庄司雅則 (SHOJI Masanori)

ロザリオ礼拝堂(Chapelle du Rosaire)は、「マチスの礼拝堂」として日本でも有名ですね。

ヴァンスのバスターミナルから坂道を上がって徒歩約10分で行くことができます。建物、ステンド・グラス、
壁のタイルに描かれた絵、祭壇など全ての装飾をマチスが構想し手がけた礼拝堂です。
IMG_6875
2016年に入り口やブティック、二階にあるスペースが改修されて綺麗になりました!日本語のガイドブックもおいてあります。ガイドブックには出ていないこともあるようですが、改修後に入館料が上がっています。
Chapelle Du Rosaire
466, av H.Matisse
Tél : +33(0)4 93 58 03 26

入場料金: 7€
2024年夏から開館日と時間も変更になりました!
開館日:火・水・木・金・土 10時-11時30分、14時-17時
閉館日:月・祭日、日曜日は訪問不可、日曜日10時からミサがあります。毎年11月中旬から12月中旬も閉館します。

年間で一番光が美しいのは、冬の午前11時頃と言われています。

IMG_6880外観はとてもシンプルで小さいのですが、屋根に大きな鉄の十字架があり、カラフルなステンド・グラスが目を引きます。
中に入ると大理石の床や白タイルの壁に映った黄・緑・青のステンド・グラスの光が印象的です。
黄色は太陽・神の光を象徴し、緑色は自然・植物を表し、そして青色は地中海と空を表しています。
マチスが重い病に臥していた頃に彼の看護婦であったジャック・マリー(後に修道女となった)の「礼拝堂を作りたい」という願いを聞いて、1947年から礼拝堂の製作を始め、4年かかって1951年に作り上げました。

マチス本人も自分の代表作品と考えていたという、マチスの集大成の作品といえます。

☆マイコートダジュールでは、
ルノワールの家、ロザリオ礼拝堂(もしくはヴァンス村)、サン・ポールへご案内する半日ツアー(午後)を催行してます。

☆アクセス

ニース発、サン・ポール経由の400番のバスと
ニース発ヴァンスまで直接に行く94番のバスで終点

☆リンク

ヴァンス観光局