ニースとエズの間に位置するヴィルフランシュ・シュル・メールは、地中海に面した美しい港町です。大型豪華客船が停泊する寄港地としても知られ、その魅力は多くの芸術家や作家を惹きつけてきました。
☆港町としての顔
ヴィルフランシュ・シュル・メールは、コートダジュールを目指すクルーズ客船の重要な寄港地の一つです。ディズニーマジックやセレブリティソルスティスなどの有名な大型豪華客船も、この港に停泊します。
港には、地中海の新鮮な魚介類を使った料理を提供するレストランが軒を連ねます。地元の食材と伝統的なレシピを組み合わせた料理の数々は、訪れる人々を魅了してやみません。
ヴィルフランシュ湾は、周囲を丘に囲まれた天然の良港で、古くから船の停泊地として利用されてきました。現在の「ヴィルフランシュ」という地名は、13世紀にプロヴァンス伯が海辺に新たな街を建設する際、住民に「免税や特権(Villam Francam)」を与えたことに由来します。その後、約5世紀にわたりサヴォイア公国の支配下に置かれ、軍港としての役割も果たしました。
特に17世紀後半には、太陽王ルイ14世下の著名な軍事建築家ヴォーバン(Vauban)が、ヴィルフランシュの防衛強化に尽力しました。彼の手によって要塞が改修・強化され、戦略的な港としての重要性が高まりました。1860年の住民投票により、ニース伯領と共にフランス領となりました。
この歴史豊かな街の最大の魅力は、その独特の雰囲気です。
- 旧市街: 中世の面影を色濃く残す石畳の小道や階段が入り組んでいます。特に「オブスキュール通り(暗闇通り)」は、かつて住民の避難場所として使われた洞窟のような薄暗い道で、一見の価値があります。
- サン・ピエール礼拝堂: 詩人であり映画監督のジャン・コクトーがこの街を愛し、1957年にこの礼拝堂の修復と装飾を手がけました。礼拝堂内部の壁画には、ヴィルフランシュの風景と共に、漁師の守護聖人である聖ペテロの生涯が描かれています。コクトーが滞在したウェルカムホテルは、礼拝堂のすぐ向かいにあります。
- 港のレストラン: 港沿いには、地中海の新鮮な魚介類を提供するレストランが並びます。名物のブイヤベースなどを味わいながら、美しい海の景色を楽しめます。
アクセス
ニースからヴィルフランシュ・シュル・メールへは、電車またはバスで簡単にアクセスできます。
- 電車: ニースからモナコ・イタリア方面へ1駅です。(SNCF のウェブサイトで時刻表を確認できます。)
- バス: ニースから81番バス(Octroiバス停下車)を利用できます。(バス会社Lignes d’Azurのウェブサイトで詳細を確認できます。)
- ヴィルフランシュ・シュル・メール観光局(英語): https://www.villefranche-sur-mer.fr/en/
サン・ジャン・カップ・フェラ (Saint-Jean-Cap-Ferrat)
ヴィルフランシュから続く半島で、19世紀末から富裕層に人気の高級リゾート地として発展しました。かつてはベルギー国王レオポルド2世をはじめ、多くの王侯貴族やセレブが別荘を構えました。
ロスチャイルド邸(Villa Ephrussi de Rothschild): 「夢の別荘」と称される豪華な邸宅で、7ヘクタールの広大な敷地に美しい庭園が広がります。邸宅と庭園は見学可能で、カフェもあります
住所: 1 Av. Ephrussi de Rothschild, 06230 Saint-Jean-Cap-Ferrat
グラン・ホテル・デュ・カップ・フェラ: 岬の先端にある名門ホテル。海に面したカフェ(クラブ・ドルフィン)でのティータイムは格別です。
遊歩道: 岬を一周する約11kmの美しい遊歩道があり、地中海の絶景を楽しみながら散歩できます。
サン・ジャン・カップ・フェラ観光局(英語): https://www.saintjeancapferrat-tourisme.fr/en