グルドンは、香水の都グラースから北へ約14キロ、標高760メートルの断崖絶壁に位置する鷲の巣村です。
村からは、息をのむほど美しいルー峡谷と地中海の絶景を一望できます。
グルドンは、「フランスの最も美しい村」の一つに認定されており、その美しさは折り紙付きですが、日本語のガイドブックには情報が少ないため、日本人旅行者にはあまり知られていないようです。
歴史
グルドンの起源は古代ギリシャ・ローマ時代に遡り、その名は「岩の絶壁の上の要塞化した場所」を意味するプロバンス語に由来します。ローマ時代には要塞化された町が存在していました。
4世紀から6世紀にはサラセン人の侵入を防ぐための要塞が築かれ、7世紀にはプロヴァンス伯によって本格的な要塞が建設されました。この城は1235年までプロヴァンス伯の所有となります。
1598年、ルイ・ド・ロンバールが領主となり、宗教戦争で破壊された城を改修しました。フランス革命期には大きな混乱はありませんでした。
1891年にはイギリスのビクトリア女王が訪問し、村の広場はビクトリア広場と名付けられました。20世紀に入ると、ルー峡谷の道路建設による地滑りや、第二次世界大戦中のドイツ軍による占領といった出来事がありました。
現在の城は1997年にロラン・ネグロ氏が相続し所有しています。歴史的建造物に指定されたため、2010年以降、城の内部見学は原則としてできなくなりました。ただし、ヴェルサイユ宮殿の庭園を設計したアンドレ・ル・ノートルが手がけた庭園は、10名以上の団体で事前予約した場合のみ見学可能です。
観光スポット
グルドンは小さい村なので、1時間もあれば見て回れます。見どころは、ル・ノートルの庭園、7世紀のサン・ヴァンソン教会、サン・ポン礼拝堂とその中世庭園、そして地中海まで見渡せるヴィクトリア広場からの絶景です。
村には小さなお店やお土産屋さん、レストランがあり、ラベンダーと蜂蜜が名産品として人気です。スパイシーで甘いパン・デピスもおすすめです。
夏は涼しく空気が澄んでおり、自然に囲まれて過ごしやすいですが、冬は寒く、道が凍結したり落石の危険があるため、訪問は春から秋がおすすめです。
マイ コートダジュール ツアーズでは、「コートダジュールの小さな村めぐる」を運行しています。冬期はグルドンの代わりにヴァンスを訪れます。公共交通機関ではアクセスしにくい村を効率よく回ることができます。
リンク
グルドン村のサイト(観光局のサイトも含む)はこちら
グルドン城の様子をネット上でみることができます。リンクはこちら