Nice ニース

ニースへようこそ!

画家アンリ・マティスは、ニースの光に魅了され、こう語っています。

「毎朝この光を見られると分かった時、自分の幸運を信じられなかった。私はニースを去らず、人生のほとんどをここで過ごした。」

ニースは、地中海に面した南仏の都市です。背後には3000m級のアルプスが連なり、豊かな自然に囲まれています。人口約35万人で、フランス第5の都市。年間400万人もの観光客が訪れる、フランス第2の観光地でもあります。

一年中穏やかなニースの気候

ニースは、フランスでも有数の日照時間を誇り、一年を通して温暖です。

  • :温暖で過ごしやすく、厚手のコートはほとんど不要です。18世紀には、この気候に惹かれてイギリスやロシアの避寒客が多く訪れました。朝晩は冷え込みますが、日中は晴天が続きます。

  • :プロヴァンス地方に比べて湿度が低く、最高気温が32℃を超えることは稀です。日差しが非常に強いので、日焼け対策は欠かせません。

  • :年間を通して雨は少なく、沿岸部で雪が降ることはほとんどありません。ただし、8月末から9月にかけては雷雨が多くなることがあります。

温暖な気候のおかげで、ニースでは一年中、美しい青空と太陽を堪能できます。

 

イタリアからフランスへ。ニースのユニークな歴史

ニースは、その美しい街並みだけでなく、数奇な歴史を持っています。

古代から始まった街

紀元前4世紀、ギリシャ人が街を築き「ニカイア(勝利の女神)」と名付けました。これが「ニース」の名の由来です。その後、ローマ帝国の支配を経て、中世にはプロヴァンス伯領に属するなど、様々な勢力のもとで歴史を刻んできました。

イタリア文化の面影

ニースの歴史で最も重要なのが、1388年から1860年までの約470年間、イタリア統一を主導したサヴォイア公国(後のサルデーニャ王国)に属していたことです。この長い期間、ニースはイタリア文化の影響を深く受け、特に旧市街のバロック様式の建物や食文化にその名残が色濃く残っています。

フランスへの併合と国際的な観光地へ

1860年、ニースは住民投票により正式にフランスに併合されます。その後、鉄道の開通とともに、ニースは国際的な観光地として急成長しました。特に冬の避寒地としてヨーロッパの富裕層に愛され、街は大きく発展しました。

旧市街を散策すれば、イタリア語の響きや、イタリアの食材を扱う店を多く見かけるでしょう。このようなユニークな歴史的背景こそが、ニースの多様な魅力を生み出しているのです。

 

ニースのおすすめ美術館

アート愛好家にとって、ニースは魅力的な美術館が豊富な街です。

1. 国立マーク・シャガール美術館 (Musée National Marc Chagall)

シャガール自身が設立に関わり、テーマや作品を選んだ唯一無二の美術館です。聖書をテーマにした作品が多く、深い精神性を感じさせます。日本語オーディオガイドもあります(利用にはパスポートを預ける必要があります)。フラッシュなしでの写真撮影は可能です。庭にはカフェ(2月から11月開館)とブティックがあります。

2. マティス美術館 (Musée Matisse)

シャガール美術館の近く、シミエの丘にある市の美術館です。マティスの初期から晩年までの作品が網羅されており、彼の芸術の変遷をたどることができます。ヴァンスのロザリオ礼拝堂の模型も展示されています。

3. マセナ美術館 (Musée Masséna)

ニースの歴史と文化に触れたい方におすすめの美術館です。豪華な建物自体も見どころで、ニースの街の発展や都市化の様子を写真や絵画で紹介しています。ネグレスコホテルのすぐ隣に位置しています。

ニースのおすすめ観光スポット

ニースの中心部は徒歩で観光しやすく、1日あれば主要な見どころを堪能できます。シャガール美術館やマティス美術館は中心部から離れ、坂の上にあるため、バスの利用をおすすめします。

1. サレヤ広場のマルシェ (Cours Saleya)

旧市街地の中心にある活気ある市場です。

  • 花のマルシェ&食品市場: 火曜日〜日曜日(月曜日は骨董市)。色鮮やかな花々や地元の新鮮な野菜、果物が並び、ニースの日常を感じられます。
  • 骨董市 (Brocante): 月曜日。掘り出し物を見つけるのが好きな方におすすめです。

朝の散策におすすめで、途中でカフェのテラスで一息つくのも良いでしょう。

2. 城跡の丘 (Colline du Château)

旧市街地の奥、海辺近くから無料のエレベーターまたは階段で登れます。ニースの旧市街、プロムナード・デ・ザングレ、そして天使の湾を見渡す絶景ポイントです。かつての城は残っていませんが、美しい公園と人工の滝があります。

3. 旧市街地 (Vieux Nice)

迷路のように入り組んだ小道に、カラフルな建物、可愛らしいブティック、そして地元のレストランがひしめき合っています。ニースならではのお土産探しや、テラス席での食事を楽しむのに最適です。

 

4. プロムナード・デ・ザングレ(Promenade des Anglais)

「イギリス人の散歩道」として知られる、美しい海岸沿いの大通りです。ヤシの木が並び、地中海を眺めながらの散歩、ジョギング、サイクリングに最適です。どこまでも続く海岸線と青い海を楽しめます。夏(通常6月〜9月頃)は海水浴もおすすめです。

5. ジャン・メドサン通り (Avenue Jean Médecin)

ニースの中心部を南北に貫く、主要なショッピングストリートです。デパートや様々なブランドショップが並び、ショッピングを楽しむことができます。

6. ニース港 (Port Lympia)

大型ヨットや地元の漁船が停泊する美しい港です。港を散策したり、ここから出発するクルージングに参加して、海上からニースやコートダジュールの景色を楽しむのも良いでしょう。

ニースでのショッピング

ニースでのショッピングは、旧市街地歩行者天国エリア、そしてジャン・メドサン通りを中心に楽しめます。これらのエリアには様々なお店が集中しており、非常に便利です。

ニースのショッピングエリアでは、大手チェーンのファッションブランド店が豊富に並ぶ一方、個性的な小さなブティックも点在しているので、掘り出し物を見つける楽しみもあります。高級ブランドに関しては、シャネル、エルメス、ヴィトンといった店舗も存在しますが、数は多くありません。もしハイエンドなショッピングを求めるのであれば、カンヌやモナコの方がより多くの選択肢を見つけられるでしょう。

ニースならではのお土産を探すなら、旧市街地が宝庫です。ここでは地元の商品を扱う店が多く、街歩きを楽しみながらお土産を選べます。また、サレヤ広場の朝市では、色鮮やかな花や新鮮な農産物の他に、地元の特産品も見つけることができます。特におすすめのニースらしいお土産としては、良質なオリーブオイル、甘くて香ばしいアーモンドショコラ、そして見た目も美しい伝統的な砂糖漬けのフルーツ(フリュイ・コンフィ)が挙げられます。

お土産については、こちらの記事をご参照ください。

ニースのイベント

ニースでもっとも有名なイベントはカーニバルです。ニースのカーニバルについてはこちらの記事をご参照ください。

公共交通機関

「コートダジュールの公共交通機関」をご参照ください。

 

リンク

ニース観光局HP日本語