国際映画祭で有名な高級リゾート地カンヌ Cannes

毎年5月に行われるカンヌ国際映画祭で有名なカンヌの町をご紹介します。

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☆地理・人口
☆歴史
☆イベント(カンヌ国際映画祭)
☆観光案内
☆ホテル
☆レストラン
☆アクセス
☆周辺(レランス諸島)
☆リンク

*こちらのページは、観光ガイドの代わりとすることが目的ではなく現地ガイドの経験から便利で役に立つ情報を提供できたらという思いから作りました。
*お勧め情報はステファニーの個人的な意見です。

☆地理・人口

ニースから南西に34キロにある海沿いの町カンヌは、毎年5月に開催されるカンヌ国際映画祭で有名です。普段の人口は7万人程度ですが、フェスティバル(国際映画祭)の時期には、3倍の21万人を超える人がカンヌに滞在しています。また映画祭以外にも世界の不動産関連業界関係者が集まるMIPIMやMAPIC、世界のテレビ業界関係者が集まるMIPTV、国際映像コンテンツ見本市のMIPCOM、国際音楽産業見本市のMIDEM、国際広告祭のカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル(Cannes Lions)、Tax Free World Exhibition、カンヌ・ヨットフェスティバル(Cannes Yachting Festival)、富裕層向け旅行商談会ILTMなどの国際展示会やSalon de la Gastronomieなど一年を通して行われています。見本市やイベント開催中は、いつもよりも街中が賑わっていて、人気のレストランの予約がなかなか取れないこともあります。

☆歴史

現在、原史時代に最初にやってきたのはリグリア人だったと言われています。現在シュケ(Suquet)のある岬に定住し、要塞を作ります。見晴し台からサント・マルグリット島にある岩の上にあるVauban要塞をお互いに見張り合っていたと言われています。実は、古代では島の方が重要だったようで、島の記録の方が残っています。航路の交わる場所にあり、断崖と岬によって防御することが比較的簡単で、西からやってきた帆船にとっては最後の安全な停泊地として使われます。

この島には考古学の研究によると新石器時代から人々が住んだ形跡があり、鉄器時代にはかなりたくさんの人が住んでいたようです。ギリシャの地理学者が、大きい島をLeroと名付けます(そこから現在はレランス諸島:Lerinsと呼ばれています)。

カンヌという名前は、リグリア語の単語で「高さ」という意味があり、CannetやCagnesなどの名前も同じ起源があります。(1030年にRodoard氏の息子が大修道院長へ寄付した時にカンヌという名前が記されます。)

古代ローマ人もこの重要な場所を見逃すことはなく、紀元前5世紀頃に共和政ローマになるとすぐに島を占領し、要塞を強化します。同時にカンヌの地もローマに占領され、“ローマの平和”をしばらく享受します。ローマ帝国時代にキリスト教が力を持つようになり、ヨーロッパ中に布教活動が始まり修道院を建てるようになります。4世紀の終わりにオノラという修道士(後に聖オノラ Saint Honorat)がレランス諸島にやってきて修道院を建て、弟子がどんどん集まり、2世紀に渡り西キリスト教の威信のある場所として知れ渡ります。

476年にローマ帝国が崩壊するとともに北の異国人(西ゴート族、ブルグンド族, ロンバルディア人)やイスラム教徒のサラセン人によって攻撃を受けます。サラセン人がもっとも強力となり、レランス諸島とカンヌでは虐殺が行われ大きな被害を受けます。修道院長や僧侶たちも被害を受け、その数は500人に登ったと記されています。

950年頃プロバンス伯ギヨームがサラセン人を追放します。その後、町や生活を再建していきます。まずは海からくる攻撃に対する防衛を強めます。プロバンス伯は、(現在シュケの位置する)崖の上に城を再建します。

シュケの時代

カンヌの町の頂上にローマの要塞があります。1000年にレランス諸島の僧侶に所有権が渡されます。僧侶たちはサラセン人から身を守るため、鐘楼や城壁を作ります。900年から15世紀の終わりまでは、シュケの歴史は、レランス諸島の大修道院と密接な関係を持ちます。(photo : Abbaye de Lérins)

1388年にはニースがサヴォイア家に属し、カンヌが国境の町となります。1447年には、カンヌの町は市となりますが、僧侶たちの影響は強く残ります。

1481年にプロバンスはフランスに併合します。カンヌは、サヴォイア家との国境にあることから様々な侵略を受けます。カール5世によってサヴォイア家との30年戦争の際、18世紀のオーストリアの継承戦争の際、そしてイギリス人も島々を短期間占領します。1635年にはスペイン人が島々を占拠し、サント・マルグリット島に要塞を建てます。この要塞は、刑務所として使われ、レオナルド・ディカプリオが主演し映画にもなった「鉄仮面の男」が、1687年から11年間収容されています。1689年には、プロテスタントのパスターも収容されています。

そのような中でも主に農業を中心に、規制された漁業も行いつつ人々は生活を送ります。貧しい生活でしたが「カンヌ人は仕事に没頭し勤勉だ」と17世紀の王室の報告に記されています。
革命の後、1815年ナポレオンがエルバ島を脱出し、カンヌに野営します。

カンヌの発見

1834年にはヨーロッパ中でコレラが流行します。同年にイギリスの元大蔵大臣ブルーハム氏(Lord Brougham)がイタリアへ行く予定だった所、プロバンスでコレラが流行していたため入国を拒否され、戻って来た時にカンヌに立ち寄り、大変気に入ったため邸宅を建てます。その後毎冬にイギリスの貴族たちがカンヌに集まるようになり、たくさんの高級邸宅が建設されます。皇帝、王、王妃、王子、ブルジョワなどが冬を過ごしにやってくるようになります。現在でもクロワ・デ・ギャルド (Croix des Gardes)と呼ばれる緑豊かな丘に、当時の大邸宅が建っています。

この時期に、モーパッサンはヨットに「Bel Ami」と名付け、海の上で本を書き、詩人Stephen Liegeardが「コート・ダジュール(紺碧海岸)」と名付けます。
1838年には、港がやっと作られ、ヨットがあふれます。1863年には駅ができます。当時はパリまで22時間20分でした。村が町へと変容して行き、西側のla Bocca地区まで広がって行きます。人口は、1814年には3000人だったのが1914年には3万人を越え、現在では7万2千人強となります。

Cannes1世界大戦が始まると人口増加は止まり、ホテルは病院となります。その後、カンヌは夏の海水浴場としても使われるようになり、国際映画祭の開催地となります。

☆イベント-カンヌ国際映画祭

1930年代後半にヴェネチア国際映画祭がファシズムの影響を強く受けていたことにショックを受けて、アメリカ人やイギリス人がフランスで国際映画祭を開催するように勧めます。候補地はいくつかあったようですが、太陽と海があって最も適した場所としてカンヌが選ばれます。映画祭の目的は「様々な映画の技術を発展させ、様々な国の映画製作者間でコラボレーションの精神を育てること」です。1939年に開催される予定だったのが結局戦後の1946年になってから初めての国際映画祭が行われます。1947年フランスにおいて最初の大会議場がカンヌに造られます。
最初の頃は、フェスティバルは観光と社交イベントという趣が強かったのですが、すぐに映画業界のプロにとって避けては通れないイベントとなり、現在では4000近くのジャーナリストが参加し最もメディアで取り上げられるようになります。

カンヌ国際映画祭の時期に訪れて雰囲気を味わうのは楽しいと思います。この時期には道路が大変渋滞しますので電車で行かれることをお勧めします。ホテルはとても高くて、映画祭の時期全ての日程を予約しないといけないこともあるようです。

2020年は5月12日(火)から23日(土)に開催予定です。

毎年カンヌ国際映画祭と同時期に香水の都グラースで国際バラ展示会(Expo Rose)が開催されています。一日で両方訪れることも可能です。グラースについてはこちらの記事をご覧下さい。

☆マイコートダジュールツアーズでは、カンヌとアンチーブツアーをご提供しています。

公共交通機関の乗り継ぎで1日かかるところを半日でまわることのできるお得なツアーです。

カンヌ映画祭や世界の不動産関連業界関係者が集まるMIPIMやMAPIC、世界のテレビ業界関係者が集まるMIPTV、国際映像コンテンツ見本市のMIPCOM、国際音楽産業見本市のMIDEM、国際広告祭のカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル(Cannes Lions)、Tax Free World Exhibition、カンヌ・ヨットフェスティバル(Cannes Yachting Festival)、富裕層向け旅行商談会ILTMなどの国際展示会やSalon de la Gastronomieなどにご参加されるお客様のために、ニース空港送迎やカンヌ発着の貸切チャーターサービス(日本語ドライバー)なども行っております。

☆観光案内

カンヌは一年中訪れることができ、人々が生活している町なので、エズとは違って冬の間もお店が開いています。しかし、やはりたくさんの別荘があり、冬の間は雨戸が閉まっているのをよく見かけます。
国際映画祭が行われる会場パレ・デ・フェスティバルを起点に、海沿いのクロワゼット大通りには高級ブティックが立ち並びます。華やかなカンヌで上級リゾート気分を満喫します。残念ながら、赤いじゅうたんは一年中は敷かれていません。会場の前の広場に映画祭に参加した俳優や監督たちの手形がありますので、ぜひ黒澤明氏の物を探してみてください!

Cannes

カンヌの旧市街地からの景色は素晴らしいのですが、シュケの丘の上まで上がらないといけません。丘の上にあるNotre Dame d’Espérance教会は、16世紀に建てられ、近年改修されています。中はゴシック様式で、ポーチはルネッサンススタイルで、パイプオルガンは1857年の物です。第二次世界大戦中には、教会は病院として使われていました。今日では、毎年7月にシュケのミュージカルナイトが教会前の広場で行われています。教会前の城壁は、16世紀に旧墓地に造られ、隣の県のエステレルまでの見晴らしは素晴らしいです!

また丘の上にあるラ・カストル博物館は、オセアニア、ヒマヤラ、アメリカ、地中海のアンティークなどのコレクションが展示されています。中のサンタンヌ礼拝堂には、世界中の音楽楽器が展示されています。また19世紀のプロバンスの絵画、カンヌや沿岸の景色が描かれた絵画なども3つの部屋に展示されています。9世紀に造られた109段の階段のある塔の上からの眺めは最高です。

開館(10月-3月)10時-13時 / 14時-17時(月曜日休館)
(4月-6月、9月)10時-13時 / 14時-18時(月曜日休館)
(7月、8月)10時-19時 6月-9月の水曜日は21時までオープン
入場料:6ユーロ

丘の下にあるサンタントワンヌ通り(Saint Antoine)は、カンヌで最も古い道の一つです。40の商店が並んでいます。1500年には、旧市街地には階段はなく、全て坂道で道の真ん中に汚れた水やゴミをすてる水路が流れていました。19世紀には、町を清潔にし、廃墟を壊しました。今日では、地元の郷土料理屋の通りとなっています。

少し東へ行くとForvilleプロバンス市場が開かれる建物があり、月曜以外の毎朝、地元産の新鮮な野菜、果物、魚などが売られていて、週末は大変な賑わいようです。

市場のすぐ南を東西に通っている細いメナディエ通り(rue Meynadier)にはお土産やなどが並んでいます。
クロワゼット通り(bd de la Croisette)には有名高級ブランドが並んでいます(ニースよりもお店の数は多いです。)パリに本店のあるマカロンのお店Ladurée とダウンジャケットで有名なMonclerもオープンしました。
またクロワゼット通りと平行して北側に通っているアンチーブ通り(rue d’Antibes)にはファッションブランド、シューズ、アクセサリーなどを扱う様々なお店が並んでいて華やかな雰囲気の中ショッピングが楽しめます。

バスで写真 210分でつく丘の上にある隣町のル・カネには、2011年6月にオープンしたナビ派を代表するボナール美術館(Musée Bonnard)があります。アクセス方法は、カンヌ駅前のバスターミナルか市役所から1番か4番のバスに乗って10分「ボナール美術館・市役所前(Musée Bonnard, Marie du Cannet)」で降り、市役所の入口を背に左に少し歩くとすぐ左手にあります。

開館(10月中旬-4月中旬)10時-18時 木曜は20時まで写真 1
(4月中旬-10月中旬)10時-20時 木曜は21時まで
休館 月曜日、1月1日、5月1日、11月1日、12月25日
入場料:5ユーロ  臨時展示のある時は7ユーロ

ボナール美術館の左側を上がり教会の横を通りさらに上がるとSaint Sauveurというギャラリーや可愛いお店が並ぶ道に出ます。右に下るとレイモン・ペイネの壁画「恋人たちの壁 (Le Mur des Amoureux)」があって、左に上がった所にあるPlace bellevueからはカンヌの海が見えます。

写真 4
写真 2-1
bellevue

隣村のマンドリュー・ラナープルの素敵なナープル城もカンヌから22番のバスでアクセスしやすくなって、観光にお勧めです。マンドリュー・ラナープルの記事をよむ

☆ホテル

映画祭の時期に有名人たちが宿泊しているカンヌのホテルは、マジェスティック(Majestic Barriere)、カルトン(Carlton)、マルティネ(Martinez)です。カンヌにはたくさんのホテルがあり、国際映画祭の時期を外せば、それほど高くはありません。

カンヌからルカネに向かって徒歩20分の静かな住宅街にあるキミ・レジデンスは、ホテルよりも割安で部屋を借りられ、小さなキッチンや冷蔵庫が付いていて自炊もできて便利です。16部屋あるのでグループでの宿泊も可能です。スーパーも近くにありますし、日本語が少しわかるスタッフがいるのでお勧めです。

カンヌの市場から徒歩5分、ビーチにも近くてとても便利なAir Bnbのアパルトマンもお勧めです。居間のソファーでくつろぐこともできますし、キッチン道具も揃っていて自炊もでき、ゆっくりゆったり過ごせます。日本人オーナーなので日本語でやりとりができて安心です。

☆レストラン

レストランは、ミシュランガイド2つ星のお店が2つあって、1つはクロワゼットのホテル・マルティネの中にあるラ・パルムドール(La Palme d’Or)です。もう一つはカンヌから車で10分の隣町ル・カネにブリュノ・オジェー氏が営むVilla Archangeがあります。一つ星は、クロワゼットにあるGrand hotelの中にあるLe Park 45です。2つ星シェフのブリュノ・オジェー氏は、ビストロ Bistrot des Angesもル・カネの同じ敷地内に営業していて、美味しい料理をお手軽な料金で食べられます。

映画祭会場の近くにあるプロバンス料理のレストランとしてはLa Potinière、フランス料理のスタンダードな物も食べられるLE CAVEAU 30はお勧めです。
CAVEAU 30
45 Rue Félix Faure 06400 Cannes
04 93 39 06 33

映画祭の会場からは少し離れますが、地元の人もよくいくお店は、La Caveがあります。少し狭く感じられるかもしれませんが、活気があって賑やかなビストロです。
La Cave
住所:9 Boulevard de la Republique, 06400 Cannes
電話:04 93 99 79 87

他にも地元で人気のフランス料理のお店は、

L’affable
住所:5 Rue la Fontaine, 06400 Cannes
電話: 04 93 68 02 09

DA BOUTTAU – AUBERGE PROVENCALE
土日もオープン
住所: 10 Rue Saint-Antoine, 06400 Cannes
電話:04 92 99 27 17

BROUETTE DE GRAND-MERE
日曜日以外はディナーのみ
住所: 9 Bis Rue d’Oran, 06400 Cannes
電話:04 93 39 12 10

Le Salon des Indépendants
ディナーのみ、日曜もオープン
住所: 11 Rue Louis Perrissol, 06400 Cannes
電話:04 93 39 97 06

Bobo Bistro
月〜土オープン
住所:21 Rue du Commandant André, 06400 Cannes
電話:04 93 99 97 33

お寿司屋さんは、

DOKEBI
月-土オープン、韓国料理 ビビンバお寿司が食べられます。
住所: 17 Rue Notre Dame, 06400 Cannes
電話:04 93 99 61 47

和桜 Wazakura
月-土オープン
住所 :13 Rue de Bône, 06400 Cannes
電話:04 93 99 93 42
日本人シェフのようこさんが握られたお寿司や刺身などの日本食を食べることができます。お昼のお寿司セットは10ユーロから、夜のお寿司セットは18ユーロからです。

Bobun Thien phu Cannesアジア料理レストラン(ベトナム、中華、タイ)

La Jade

住所:24 rue Pasteur, 06400 Cannes
電話:04 93 94 33 49