(写真:Ville de Valbonne Sophia Antipolis)
自然に囲まれた穏やかで温かい雰囲気のヴァルボンヌは、車やバスでのアクセスになるため観光客は比較的少ないものの、地元の人々に大変人気があります。特に、ローマ時代の都市計画に基づいた碁盤の目のような街並みが今も中世の趣を残しておりとても魅力的で、車の入れない旧市街には可愛らしいお店やレストランがたくさんあり、猫が多く、大変フォトジェニックな村として私も大のお気に入りです。
地理・人口
ニースから西へ30キロ、カンヌから13キロ内陸に入った平地に位置する、自然に囲まれた村です。人口は1万2千人(2022年)です。
歴史
ヴァルボンヌ周辺の丘の発掘から、古代に人が居住していた痕跡が発見され、ローマ時代の遺物から紀元1世紀頃には農業が行われていたことがわかります。
13世紀、修道院の設立とともに「ヴァルボンヌ(良い谷)」という名が初めて記され、修道院の歴史と深く結びつきます。最盛期には1200人の修道士を擁したシャレ修道会でしたが、14世紀に衰退し、ヴァルボンヌの大修道院はレランス大修道院へと移管されました。戦乱やペストにより、修道院の管轄地域の人口は減少しました。
ヴァルボンヌの村
16世紀、レランス大修道院長オーギュスタン・グリマルディは近隣の共同体の協力を得て、ペストで荒廃した村を再建しました。1199年に導入されたシャレ大修道院の隣に造られた村は、ローマ時代の都市計画に基づいた碁盤目状の街並みが特徴で、中央通りと直交する道、中央広場がありました。防御のため、家には外向きの扉がありませんでした。領主は税を徴収し、製粉や製パン、ブドウやオリーブの圧搾の権利を持ち、住民は貢納を続けていました。現在の村は当時の姿をほぼそのまま残しています。
16世紀から20世紀の発展
20世紀半ばまで、ヴァルボンヌはオリーブ、ワイン用ブドウ、香水原料のバラやジャスミンの栽培を中心とした農業の村でした。20世紀初頭にはセルヴァン種のブドウ栽培が始まり、その名残は現在も聖ブラシウス祭で見られます。
第二次世界大戦後、海岸沿いの人口過密化と周辺地域の農業衰退により、ヴァルボンヌでは住宅開発が進み、通信網や公共施設の整備も促進されました。商業、工芸、観光、レジャー関連産業も発展しました。
観光情報
ヴァルボンヌの見どころは、ローマ時代の都市計画に基づいた碁盤目状の可愛らしい街並みです。村にはアンティークショップやインテリアショップやレストランやおしゃれなカフェも多くあり、ゆったりとした時間をお過ごしいただけます。坂道を下ったところにある中世の教会も趣があります。旧市街内には車が入れないで、落ち着いて散策できます。
マイコートダジュールでは、ヴァルボンヌを含む小さな村めぐりツアーを催行してます。
アクセスが難しいいくつかの村を一日でワンボックスカーで効率よくご案内します。
たくさんの猫に出会える大好きな村の一つです。