ピカソが晩年を過ごしたガストロノミーの村ムージャン

Mougins

ムージャンはガストロノミー(美食の)村としてよく知られていて、アーティストや有名人、VIPの方々が集まってきています。パブロ·ピカソは1973年に亡くなるまでの晩年の12年間をこのムージャンで過ごしています。

*こちらのページは、観光ガイドの代わりとすることが目的ではなく現地ガイドの経験から便利で役に立つ情報を提供できたらという思いから作りました。

*お勧め情報はステファニーの個人的な意見です。

☆地理・人口

カンヌから内陸へ10キロ程度の丘の上にあるムージャン村は、昔からの姿がそのままに残っています。標高269mにあってカンヌ湾とレランス諸島を見下ろすことができ、反対側の内陸側からは、香水の首都グラースとプレ・アルプス山脈が臨めます。

人口は、2万人弱で、村以外にも25キロ平米の土地があって、半分が緑です。

☆歴史

紀元前1世紀頃は、ムージャンの丘は、リグリア部族の小さな首都でした。ローマ時代には、アウレリア街道上の馬車宿として、重要な場所となります。中世、プロヴァンス王ルネの支配が終わると、自由権を得て、レランス大修道院長とグラース司教が領主となりムージャンの町は裕福になり、要塞化されます。18世紀から、オリーブ畑、ブドウ畑、ジャスミン畑での仕事を通じて町は繁栄します。その頃チャドで有名になった探検家司令官ラミー(1858から1900)氏はムージャン出身です。

IMG_8733ピカビアからピカソ

19世紀後半からは、気候とその立地の良さから、ムージャンに多くのフランス人と外国人が集まってきます。1924年にはアバンギャルド超現実主義者の画家フランシス·ピカビアはムージャンに魅了され、家を建てることを決めます。そして、友人達にムージャンの良さを話し、どんどん有名人が集まってくることになります。

最も有名なのは、1936年に初めて村に来たパブロ·ピカソです。その頃一緒にムージャンへ来た人たちは、ジャン·コクトー、ポール·エリュアール、マン·レイ、フランソワミレーなどです。そして、数年後ピカソはムージャンに住む事を決めます。彼は、ノートルダム・ド・ヴィ礼拝堂の隣にあってカンヌ湾を見下ろすことができる理想的な場所に住居を決めます。そして、彼の人生の最後まで妻ジャクリーンとその家に住み、仕事を続けています。

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有名人達

その後、画家のフェルナン・レジェ、詩人のロベール·デスノス、映画監督のルネ·クレール、ダンサーのイサドラ·ダンカンはムージャン村に滞在しています。クリスチャン・ディオールは、最も有名なコレクションを作った時にはムージャン村の中心部に住んでいます。その後には、有名な歌手のジャック・ブレル、エディット・ピアフ、バレエダンサーのローラン・プティとジジ・ジャンメール、イヴ・サンローラン、シンガーソングライターのポールアンカ、詩人のジャン・リシュパン、映画俳優・監督のロベール·オッセン、女優のカトリーヌ·ドヌーブやジャンヌ·モロー、デザイナーのロジェ・ヴィヴィエなどが住んでいます。今日では、海の近くにある田舎であるムージャンに魅せられ、無数のアーティストがムージャンに住居を持っています。

☆観光情報IMG_8751

ムージャンの村は、丘の頂上にある鷲の巣村です。カンヌ湾とレランス諸島を見下ろすことができ、反対側の内陸側からは、香水の首都グラースとプレ・アルプス山脈が臨めます。村の一番高い中心からカタツムリのように螺旋状に狭い通りが広がっていて、30以上のギャラリーやアートスタジオがあり、のんびりと散策ができます。村は小さいのですぐに周りきれ、主に2つのメインの狭い通りがあってレストランとギャラリーがならんでいます。

村の中のPorte Serrazineの近くにある写真美術館では、ピカソの写真や臨時展示もされていてお勧めです。

IMG_8755ムージャンのクラシックアート美術館(MACM:LE MUSEE D’ART CLASSIQUE DE MOUGINS)

古代ギリシャ、ローマ、エジプトの芸術の最大のプライベートコレクションやピカソ、レンブラント、ダミアン·ハースト、ダリ、マティス、アンディ·ウォーホルなどの近現代の作品が展示されていて、プティ・ルーヴル(小さなルーブル美術館)と呼ばれています。

32 rue Commandeur 村に入ってすぐ左にAmandierというレストランのすぐ隣です。

入場料12ユーロ12月25日以外毎日開館(10時-18時)

ノートルダム·ド·ヴィ礼拝堂

村から少し離れた所にありますが、旧ピカソの邸宅の隣にあって現在も訪問が可能です。訪問無料

IMG_874010月-4月:10-16時

7月と8月:毎日(午前10時-12時30分/午後14時-19時)

5月、6月、9月:毎週末(同上)。

☆レストラン

村の中には約30軒の伝統的なグルメレストランがあります。そのうちいくつかのレストランでは、グルメ料理教室が開催されています。

2018年にミシュランの2つ星をもらったPALOMAは村の入口にあります。

以前3つ星レストランだった有名な「ムーランドムジャン」は、村からカンヌ寄りのノートルダム·ド·ヴィ礼拝堂の近くにあります。

ムーランドムジャンの3つ星シェフのロジェ・ヴェルジェが村の中に作ったもう1つのレストラン、ラマンディエも有名です。

5つ星ホテルの中にある1つ星レストランル・カンディーユは、村から徒歩10分です。もちろん車でも行けます。

☆イベント

1969年にロジェ・ヴェルジェがレストラン「ムーラン・ド・ムージャン」へやってきてシェフとなり1974年にはミシュラン3つ星までもらい、ガストロノミーがムージャンにとって非常に重要な位置をしめることになります。 年に1回、美食の国際フェスティバルが開催されます。3日間、ムージャンの村にはフランスと世界中の有名な100人程のシェフが集まり、数十のデモンストレーション、ワークショップ、ショークッキングなどが開かれ、オープンエアの劇場となります。

☆マイコートダジュールツアーズでは、小さな村々巡りツアーでアクセスが難しいムージャン村へ効率よくご案内します。

また貸切チャーターでノートルダム・ド・ヴィ礼拝堂やムーラン・ド・ムジャンなど個人ではアクセスがしにくい場所にもご案内できます。

☆アクセス

カンヌ駅からバス600番30番でVal de Mouginsまで行き、そこからカンヌ方向に少し戻り花屋がある交差点を左に少し坂を上がった所にあるバス停から25番か27番、Val de Mouginsのバス停の向かい側の道に渡り更に少し進んだ所にあるバス停から23番26番650番に乗換えてMougins villageで降ります。もしくはカンヌ駅からバス630番でQui Vend Bonまで行き、向かい側のバス停から26番に乗ってMougins villageで降ります。1つ目のバスでコレスポンダンス 〇〇(数字)を運転手に言うと乗り換え用のチケットをくれるので、それがあれば2台目はお金はかからず1.50ユーロで行くことができます。バスの本数がいずれも少ないので事前に時刻表をチェックして行かれる事をお勧めします。

☆リンク

ムージャン観光局のサイト